【多様体】「線形写像の微分はその線形写像そのものである」について :Twitterより

note.com

https://twitter.com/study_unnatural/status/1659778595773100032?s=20

というツイートをしました。ちなみに、結果としては「線形写像微分はその線形写像そのもの」というのは正しいようです。
実はここでも「canonical」の概念が登場します。canonicalについてもツイートをまとめてあります。

自明っぽいな

自明らしいです。自明とまでも言わないけどある程度の感覚は掴めました。

高校数学では、関数のグラフを見るとき、その一瞬(各点)を切り取って、1次式の世界(線形な世界)を見ていたわけです。これは三次元のグラフなら「一次式の世界」は接線ではなく接平面ですね。
全体を知りたいけど、わからないから各点を見ましょう。ということです。

多様体は一般にはいわゆる「曲がった空間」を考えていますね。そこで、接ベクトル空間という「局所的な真っ直ぐな空間」を考えようとしているのでしょう。それを調べることは、今までなら接線や接平面を考えていたことに対応するでしょう。

一方、線形空間は全体が「まっすぐな空間」(基底があって、全体がその線形和でかける。)なんだから接空間は線型空間そのもの感ありますね。全体が「一次式の世界」です。

まっすぐな空間

ここでは$${\Rn}$$から$${\Rm}$$への線形写像を考えましょう。(それ以外もちゃんと位相が入ってれば考えられるんだろうし、任意の$${n}$$次元$${K}$$線形空間は$${Kn}$$と同型なんだから、$${Kn}$$の方に位相を入れられれば、それを全単射で写したものを考えればいいだけだね。)
そしたらこの線形写像は、完全に行列$${A}$$倍写像になっています。そしたら、ベクトル空間のいろんなベクトル(もとの線形写像の始域)が$${A}$$倍写像で写されるのと同じように、接ベクトル(たとえばいま考えている場合については、接空間の基底として$${\Rn}$$の標準基底と同一視されるものを取れる)も写されるわけです。
もう、なんか微分が線形写像っていう気分は掴めてきました。なんとなくね。

ここのイメージの多くは、5/20のMTさんのライブにてコメントをして、もらった回答から得られたものです。https://www.youtube.com/live/TkF2ImjCZbk?feature=share

前提になっているらしい考え方

幾何学者のよくやる悪い習慣なのですが、線型空間の接空間はし元々の空間としばしば断りなく同一視されます。その同一視のもとで元々の空間で定義された線形写像とそれの微分が同一視できるという意味で、「線形写像微分は元々の線形写像そのものになる」と言っています。

https://twitter.com/sgt_stephen3rd/status/1659783708621275136?s=20

線形空間の接空間はしばしば断りなく、元の空間と同一視される、とのことです。以下は僕が考えた、「自明っぽいな」の項で述べたことの別解釈です:
これは $${\R3}$$ だと結構感覚がつかみやすいかもしれません。感覚としては、$${\R3}$$の各点に$${\R3}$$が張られている感じです。各点のまわりにチャート$${(\R3,\mathrm{id})}$$がある感じです。
そして、点$${p}$$での接空間$${T_p\R3}$$は点$${p}$$を始点とするようなベクトル全体になるでしょう。(ぼくはこの表現に違和感を感じている。ベクトルには始点っていう概念がないと思うから。始点という概念を考えられるのは点pでのチャートを考えているっていう前提があるからかな?)
そうすると、もういかにも$${\R3}$$と$${T_p\R3}$$が同一視されてるな―って。
ちなみに、これは本当は

線型空間Vを多様体とみなすとき「Vの任意の点における接空間は”カノニカル”にVそのものと同一視できる」 そういう性質を持つ多様体線型空間に限る。

https://twitter.com/gakuikeda1109/status/1659839550158688257?s=20

むしろアフィン空間というべきですが。

https://twitter.com/gakuikeda1109/status/1659839550158688257?s=20

ツイートのまとめ

https://twitter.com/fineman0805/status/1659783692045410304?s=20

https://twitter.com/fineman0805/status/1659785093228163074?s=20

https://twitter.com/natsuki_mfd/status/1659782908658458624?s=20

https://twitter.com/kawazu_on_bird/status/1659801818845818881?s=20

https://twitter.com/mathraphsody/status/1659803499352461312?s=20

のーんさんのこれはちょっとわかっていません。本人は全然自明じゃなかったと訂正?リプをくれたのですが、もしかしたらなんか関係あるかもしれないから残しておきます


https://twitter.com/nkowne63/status/1659905916995792898?s=20

https://twitter.com/nkowne63/status/1660140966911840256?s=20

https://twitter.com/bra_cat_ket/status/1659793807460761601?s=20

https://twitter.com/bra_cat_ket/status/1660018758306394113?s=20

https://twitter.com/ode4phys/status/1659786480850726919?s=20


あとでわかりたいやつ。一旦保留

線形空間Vの接束はTV≅V⊕V(一つは空間の座標、一つは接空間の座標) A:V→Wを線形写像とした時、 dA:TV→A(TW) が誘導しますが、(右はファイバー束の引き戻し) これは上の同型を通して id_V⊕A:V⊕V→A(W⊕W)≅graph(A)⊕W≅V⊕W になります この意味でAの微分はAと言えます

よくある説明は基底をとって説明すると思いますが、上のようにやれば基底を取らず、全てカノニカルに構築できるというメリットがあります

https://twitter.com/kyow_QQ/status/1659797221137850368?s=20

https://twitter.com/kyow_QQ/status/1659797221137850368?s=20

https://twitter.com/gakuikeda1109/status/1659839550158688257?s=20